大臣在任中に広島県の大手鶏卵生産会社の元代表から賄賂を受け取った罪に問われている吉川貴盛 元農林水産大臣の裁判で被告人質問が行われ、元大臣は「現金を受け取ったことは否定しないが、記憶が無い。政治献金の趣旨だと思う」と述べて、改めて無罪を主張しました。

元農林水産大臣の吉川貴盛被告(71)は、大臣在任中だったおととしまでの2年間に広島県福山市の大手鶏卵生産会社「アキタフーズ」の元代表から大臣室などで3回にわたって、現金合わせて500万円の賄賂を受け取ったとして収賄の罪に問われています。

東京地方裁判所では20日、元大臣に対する質問が行われ、現金を受け取ったとされる当時の状況について弁護士から尋ねられると「受け取ったことは否定しないが記憶が無い。大臣就任前からいただいていた政治献金の趣旨だと思う」と述べて、賄賂の認識を否定し、改めて無罪を主張しました。

また、贈賄側が働きかけを行うきっかけとなったとされる国際的な飼育環境の基準「アニマルウェルフェア」については「養鶏関連は農林水産省の当時の課題にほとんど上がっていなかった。業界から要望を受けても正直に言って『なんでそんなに気にする必要があるのか』と思っていた」と述べました。

NHKニュース
2021年12月20日 18時09分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211220/k10013396161000.html