10月の衆院選で選挙運動の見返りに報酬を支払う約束をしたとして、京都府警は15日、自民党所属の岸本裕一府議(68)=京都市北区=を公職選挙法違反(買収)の疑いで書類送検した。捜査関係者への取材で分かった。岸本府議は、政界を引退した伊吹文明元衆院議長の後継として京都1区で初当選した自民新人、勝目康氏(47)の陣営の一員だった。

 容疑は10月12日、衆院選期間中に有権者へ電話で投票を呼び掛ける選挙運動の報酬として、運動員3人に時給1000円を支払う約束をしたとしている。捜査関係者によると容疑を認めており、陣営としての関与はないという。

 公職選挙法では、電話で投票を呼び掛ける「電話作戦」は違法ではない。一方、事前に選挙管理委員会に届け出た車上運動員や手話通訳などを除き、報酬の支払いや約束は禁止されている。

 岸本府議は2015年に初当選し、現在2期目。勝目氏は衆院選で、共産前職で党国対委員長の穀田恵二氏(74)、維新新人の堀場幸子氏(42)を破ったが、他の2候補ともに比例復活を果たすなど最後まで競り合った。【藤河匠】

毎日新聞
2021/12/15 11:40
https://mainichi.jp/articles/20211215/k00/00m/040/036000c