14日午後の本会議で衆議院が解散され、定数465議席(選挙区289議席、比例代表176議席)を争う第49回衆院選は19日公示、31日投開票の日程で行われることが決まった。

 解散から投開票まで、わずか17日の超短期戦。ネット上には早速、与野党支持者らの投稿が相次いでいるが、「ざわついた」のが解散直後にNHKが本会議場から中継した自民党の甘利幹事長のぶら下がり取材だった。

 スタジオの記者から、選挙戦で訴えたいことなどを問われた甘利幹事長は「立憲民主党と公明党さんは候補者で一本化をしていくということを宣言され、政権をとった際には、共産党と閣外協力を行うという宣言をされたわけです」などと珍発言。すぐさま、ネット上は、<立憲が公明党と一本化? さらに共産も。じゃあ自民党は捨てられたっていうことか?><甘利さんの本音が漏れたのね。どうせ公明は俺のことが嫌いなんだろという…>などと突っ込みのオンパレードだった。

 さらに野党支援者から怒りの声が上がったのが、甘利幹事長のこの妄言だった。

「立憲と共産が選挙協力する。総選挙は自由と民主主義か、共産主義が入ってくる政権かの政権選択だ」

 野党共闘をよほど警戒しているのだろう。甘利幹事長は「野党が勝ったら、市民の自由が奪われ、中国やロシアのような国になりますよ」とでも言いたいかのような口ぶりだったが、これはまったくの大間違い。共産党の志位和夫委員長も雑誌「中央公論」(7月号)のインタビュー取材でこう言っていた。

<私たちのめざす社会主義・共産主義は、資本主義のもとで獲得した価値あるものを全て引き継いで発展させる。後退させるものは何一つないということです。例えば労働時間短縮など暮らしを守るルールは、全部引き継いで発展させる。日本国憲法のもとでの自由と民主主義の諸制度も、全て豊かに発展的に引き継いでいく。せっかく社会主義になっても資本主義より窮屈でさみしい社会になったら意味がないわけです。日本は発達した資本主義のもとですでに多くの達成を手にしています。それを出発点にして先に進むわけですから、ロシアとか中国とは全く違う計り知れない可能性がある>

 つまり、今の民主主義、資本主義をさらに発展させた形の社会を目指そう――といっているわけなのだが、甘利幹事長は勉強不足なのか知識が足りないのか、戦前のような古めかしい感覚しか持っていないようだ。

■「頭が古い」「口利き疑惑説明が先」と大炎上

 このため、ネット上でも<共産党を印象操作でしか語れない人><いつの時代の話? ああ、自分が時代劇のようなシチュエーションで裏金をもらったから頭が古いのかな><まずは自分のUR口利き斡旋利得疑惑について説明して。偉そうなことを言うのはそれからですよ>などと、これまた大炎上。どうやら甘利幹事長の野党先制“口撃”は残念ながら失敗したようだ。

日刊ゲンダイ
21/10/15 06:00
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