自民、公明両党は、目標とした過半数に届かない情勢だ。自民では当初、50議席台の獲得を想定していたが、終盤に都民ファーストが伸長し、失速した形だ。菅義偉首相は4月の三つの国政選挙での「全敗」に続き、思うようには議席を伸ばせなかった。次期衆院選を控え、党内では危機感が強まっており、首相の求心力が低下するのは避けられない情勢だ。

 前回2017年の都議選は、「小池旋風」を受けて都民ファが躍進し、自民は過去最低の23議席と大敗した。今回は都民ファの議席を各党が奪い合う構図。議席が増えること自体は党内で想定内で、「自公で過半数」という目標は最低ラインのはずだった。

 自民が40年ぶりに第1党の座を失った09年の38議席と同水準にとどまる可能性もある。公明も1993年からの全員当選が危ぶまれる状況だ。09年都議選後の衆院選では、自公が政権から陥落している。

 党内で予想外の低調になった理由に挙がっているのが、菅政権の新型コロナウイルスへの対応だ。

 選挙期間中に都内の新型コロ…

朝日新聞
2021年7月4日 22時00分
https://www.asahi.com/articles/ASP7471RQP74UTFK009.html