自民党重鎮の伊吹文明元衆院議長が28日、次期衆院選に立候補せず、政界を引退する意向を表明した。伊吹氏は、歯に衣(きぬ)着せぬ物言いで「イブキング」の異名をとり、衆院議長を退任した後も「御意見番」として永田町で存在感を示してきた。

 伊吹氏は2012年12月に衆院議長に就任すると同時に、当時率いていた派閥、志帥会の会長を現在の二階俊博幹事長に譲った。現在は二階派の最高顧問として、毎週木曜に開かれる派閥の総会で20分程度の「ご講話」を派閥議員に披露。テーマは内政、外政問わず多岐にわたる。新型コロナウイルス対策をめぐって菅義偉内閣の支持率が低迷する状況にあって、「選挙は支持率でやるものではなく、自分の日常活動でやるものだ」と語り、衆院選が近づくなかで浮足立つ若手議員らに、地元まわりの大切さを説いた。同派の大岡敏孝衆院議員は「永田町の最大の知恵袋。節目節目で、戒めていただいた」と話す。

 党の重鎮として、政権幹部らにも臆さず苦言を呈した。18年には、森友・加計学園の問題をめぐって、「非常に自民党は傲慢(ごうまん)だと。役人に対して国会議員になれば何でもできると思っているのが支持率が下がってきた原因だ」と指摘した。

 その一方で、物議を醸す発言も…

朝日新聞
2021/6/29 6:30
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