毎日新聞と社会調査研究センターは19日、全国世論調査を実施した。東京オリンピック・パラリンピックに関して、政府が国内の観客を入れて開催する検討をしていることについて「妥当だ」との回答は22%にとどまった。「国内の観客も入れずに無観客で開催すべきだ」は31%に上った。5月22日の前回調査で「無観客で開催すべきだ」は13%だった。「中止すべきだ」は30%で前回(40%)より10ポイント減少し、「再び延期すべきだ」は12%で前回(23%)より11ポイント下がった。「中止」と「再延期」を合わせて4割超となった。「わからない」は5%(前回3%)だった。

 菅義偉首相は東京五輪について「安全・安心な大会を実現する」と繰り返している。安全、安心な形で開催できると思うかとの問いでは、「できると思う」は20%にとどまり、「できるとは思わない」は64%に上った。

 政府は東京五輪を予定通り開催する方針を崩していない。政府の「新型コロナウイルス感染症対策分科会」の尾身茂会長ら専門家有志は18日、五輪について、無観客での開催が「望ましい」と推奨する提言を公表した。世論も五輪に伴う感染拡大への不安は強く、開催を前提にしつつ、無観客を求める意見が増えていることがうかがえる。

 政府が新型コロナの感染拡大に伴い、10都道府県に発令している緊急事態宣言を沖縄以外で解除することについて、「妥当だ」は40%で、「解除を急ぎすぎだ」の54%を下回った。「沖縄も解除すべきだ」は5%だった。沖縄以外の9都道府県のうち、東京、大阪など7都道府県は21日から、まん延防止等重点措置に移行するが、政府の対応を疑問視する意見も根強い。

 菅内閣の支持率は34%で、政権発足以降で最低となった前回の31%から3ポイント増加した。不支持率は55%で、前回の59%から4ポイント減少した。

 菅政権の新型コロナ対策については、「評価する」が21%で、前回(13%)より増えたが、依然として評価は低い。「評価しない」は60%で、前回(69%)より減った。「どちらとも言えない」は18%(前回17%)だった。

 政党支持率は、自民党30%(前回29%)▽立憲民主党10%(同10%)▽日本維新の会6%(同6%)▽共産党6%(同5%)▽公明党4%(同4%)▽れいわ新選組2%(同2%)▽国民民主党1%(同1%)――など。「支持政党はない」と答えた無党派層は40%(同41%)だった。

 調査は、携帯電話のショートメッセージサービス(SMS)機能を使う方式と、固定電話で自動音声の質問に答えてもらう方式を組み合わせ、携帯766件・固定351件の有効回答を得た。【伊藤奈々恵】

毎日新聞
2021/6/19 17:54
https://mainichi.jp/articles/20210619/k00/00m/010/137000c