自民党内で、新型コロナウイルス緊急事態宣言下の深夜に東京・銀座のクラブを訪問した不祥事の責任を取り、離党した松本純元国家公安委員長ら3氏の次期衆院選前の復党論が浮上している。複数の関係者が17日、明らかにした。衆院解散は9月前半となる公算が大きい。候補者不在の空白区を解消し、選挙態勢の構築を急ぐ狙い。ただ執行部には、世論の批判を懸念し慎重な声もある。

 クラブ訪問で離党したのはいずれも衆院議員で現在無所属の松本(神奈川1区)、大塚高司(大阪8区)、田野瀬太道(奈良3区)の3氏。それぞれ麻生派、竹下派、石原派に属していた。
 3氏については次期衆院選で当選すれば復党させる案が取り沙汰されていた。だがコロナ感染が収束せず、十分な地元活動が困難な中、党からの選挙資金を望めない無所属の戦いは厳しい。比例復活の道もないことから、所属していた派閥幹部らを中心に衆院選前の復党を探る動きが水面下で続いているという。
 党幹部は、コロナ禍でクラブを訪れた3氏の記憶は新しいと指摘。「自分の力で衆院選を勝ち抜き、みそぎを済ませる前に復党を認めれば、有権者から『身内に甘い』と非難される。党全体の勝敗に大きく影響しかねない」と懸念を示す。(共同)

東京新聞
2021年06月17日 20時29分
https://www.tokyo-np.co.jp/amp/article/111199