前経済産業相の菅原一秀衆院議員(59)(自民、東京9区)が近く議員辞職を表明する意向であることが関係者の話でわかった。菅原氏を巡っては、選挙区内の行事で主催者側に現金を提供していた疑いが浮上。東京地検特捜部が公職選挙法違反(寄付の禁止)で略式起訴する方針を固めている。

 関係者によると、菅原氏は夏祭りや盆踊り、日帰り旅行を主催する選挙区内の町内会や商店会などに対し、1回あたり数千円〜1万円程度の提供を繰り返していた疑いがもたれている。違法な現金配布は公訴時効にかからない2018年以降で約50万円に上る見通し。菅原氏は特捜部の任意の事情聴取に現金配布や違法性を大筋で認めているという。

 特捜部は昨年6月、菅原氏が選挙区内の葬儀で自身が持参しない形での香典や、故人の枕元に飾る枕花として計30万円分を渡したと認定。その上で、経産相を辞任したことなどを踏まえて不起訴(起訴猶予)とした。しかし、東京第4検察審査会が2月24日付で起訴相当と議決したため、特捜部が再捜査していた。

読売新聞
2021/06/01 05:00
https://www.yomiuri.co.jp/national/20210601-OYT1T50106/