新型コロナウイルスのワクチン接種で菅義偉首相が掲げる「7月末までに高齢者完了」をめぐり公明党は26日、独自の調査結果を発表した。1741市区町村のうち248が「難しい」と答え、政府が21日に公表した調査結果の約2倍にのぼった。政府の調査がずさんだった可能性がある。

 政府調査で「難しい」と答えたのは最新の調査で125自治体。公明は、接種を終えられない理由を調べ、改善につなげようとしたが、政府がどの自治体が「難しい」と答えたのか情報を開示しなかったため、独自に調査したという。

 各都道府県本部を通じて調査したところ、7月末の完了が難しい理由として、「医療関係者の確保が困難」とした自治体が187(75%、複数回答可)にのぼった。「医療関係者のワクチン接種が終了していない」が63(25%)、「接種会場の確保が困難」が61(24%)、「国の負担金・補助金が不十分」が38(15%)、「地域医師会との協議が難しい」が34(13%)で続いた。

 政府調査の精度については、調査を担当した総務省関係者も「達成に向けて全力で頑張るという、市町村の決意表明みたいなもの」と語っている。(下司佳代子)

朝日新聞
2021年5月27日 21時30分
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