新型コロナウイルス患者の死者について、神戸市に届け出があった人数が、公表された人数より100人近く多かったことが、市への取材でわかった。市は、感染者数の急増で遺族への説明など業務が遅れているためと説明している。

 神戸市が10日に開いた対策会議の資料によると、病院の届け出などで把握した死者数は9日時点で計372人。一方、市がホームページなどで正式に公表している死者数は9日時点で計274人だった。未公表の98人の大半は3月以降の第4波での死者という。

 市は、公表の遅れについて「遺族の了承を得る作業に時間がかかっている」と説明。患者急増で感染経路の特定や自宅にいる患者への支援など業務が大幅に増え、集計や公表が後手に回っている事情もあると釈明する。市も実態と大きく差がある点を問題視しており、「未公表分はできるだけ速やかに公表していく」としている。

 市によると、未公表分は兵庫県が集計・公表している死者数にも含まれていない。兵庫県が公表した県内の死者は12日現在で818人となっている。(鈴木春香)

朝日新聞
2021年5月13日 14時57分
https://www.asahi.com/articles/ASP5F4VM7P5DPIHB012.html