米紙ニューヨーク・タイムズは11日、東京オリンピック(五輪)・パラリンピックは新型コロナウイルスの感染が大規模に拡大する「大災害となる恐れ」があり、「今こそ科学に耳を傾け、危険なまやかしをやめるときだ。東京五輪は中止しないといけない」とする寄稿を電子版に掲載した。

寄稿したのは、元米五輪代表サッカー選手で米パシフィック大のジュールズ・ボイコフ教授(政治学)。

ボイコフ氏は「日本では60%近い人々が今夏の五輪開催に反対し、新型コロナワクチンの接種を受けたのは人口の2%未満にすぎない」と指摘。「選手は自己隔離を求められず、ワクチン接種も義務でない。大会のために何万もの人々が日本に入国する」と危険性を強調した。

「五輪をごり押しする主な理由は3つ。カネとカネ、そしてカネだ。そのほとんどは選手たちには向かわず、大会を運営し、放映し、出資する人々の手に入る」と説明。国際オリンピック委員会(IOC)などの主催組織には「公衆衛生のために自らの利益を犠牲にする気はない」と断言した。

その上で、新型コロナで分かったのは「家族や友人、公衆衛生はカネより大事だということだ」と主張。「IOCは気付くのが遅れたが、まだ正しいことをする時間はある」と、五輪中止に踏み切るよう訴えた。(共同)

日刊スポーツ
2021年5月12日9時45分
https://www.nikkansports.com/olympic/tokyo2020/general/news/202105120000191.html