https://news.yahoo.co.jp/articles/671eabea0c0b06d4724c3f54ac7b3aca6ef00347
韓国と米国のすれ違い

写真:現代ビジネス

 3月18日、ソウルにおいて米韓の両政府が外務・国防担当閣僚協議(2プラス2)を開いた。

【写真】2020年、実は日本が「世界最高の国ランキング3位」になっていた…!

 今回の米韓2プラス2協議では、まず、中国への対応に関する米韓の温度差が確認された。

 日米の2プラス2協議で中国に対する深刻な懸念が表明されたことに比べ、韓国の対中配慮は鮮明だ。

 次に、北朝鮮問題に関しても米国と韓国のスタンスの違いが浮き彫りになった。

 米国務省が公表した韓国との共同声明には“北朝鮮の非核化”の文言が入っていない。

 韓国は米国に北朝鮮との対話も求めている。

 以上が示唆することは、安全保障面で米国を、経済面で中国を、外交面で北朝鮮を重視する文在寅(ムン・ジェイン)大統領の政策スタンスに変化がないことだ。

 それをもとに韓国の経済政策運営を考えると、目先、文氏は景気回復のために中国との関係をより重視するだろう。

 また、中長期的な経済成長のために、文氏は北朝鮮との宥和を進めたいはずだ。

 中国と北朝鮮を重視した政策を進めることによって、文氏は不動産価格高騰などに関する世論の不満や批判の解消を目指しているように見える。
閉塞感漂い始めた文大統領の経済運営

ソウルのマンション群〔PHOTO〕Gettyimages

 足許、韓国の文大統領の経済運営が一段と厳しい状況を迎えている。

 最大の原因は、不動産価格の高騰だ。

 市民の住宅取得や債務返済の負担が増す中で、土地住宅公社職員や文氏の親族による不動産取引疑惑が浮上したインパクトは大きい。

 世論調査の一つでは、文氏の支持率は37%台に下落した。

 来年の大統領選挙で政権の交代を希望する国民も増えていると報じられている。

 韓国経済は、さらに厳しい状況を迎える可能性がある。

 まず、しばらくの間、不動産の価格上昇は続くだろう。

 その要因の一つとして、投資家の“カネ余り”観測は根強い。

 3月16日、17日に米連邦準備理事会(FRB)が開催した連邦公開市場委員会(FOMC)では、低金利環境の継続が表明された。

 それに多くの投資家は安堵し、FOMCの後、米国の株価は上昇した。

 今回のFOMCのポイントは、今後の経済見通しにおいて2022年の利上げを予想する参加者が昨年12月時点の1人から4人に増えたことだ。

(略)