名古屋市長選への河村たかし市長の出馬表明について、愛知県の大村秀章知事は19日の記者会見で「これまでの行動、言動からして名古屋市長の重責にふさわしくない方。立候補してほしくなかった」と強く批判した。一方、対立候補となる横井利明氏には「しっかり応援したい。(街頭演説に)喜んで駆けつけたい」と支援の姿勢を示した。

 市議会は河村氏が代表を務める「減税日本」を除く4会派が反河村派。横井氏を擁立した最大会派の自民は、河村氏の出馬に「驚きはない」と渡辺義郎団長が述べ、単純な非難でなく横井氏が得意とする政策論争で挑む考えを示す。

 自民と連携する旧民主系と公明は「リコール署名不正問題で説明責任を果たしていない」「河村氏自らが多選批判を展開してきた。4期目への説明を」と求めた。共産は「河村市政に終止符を」と訴えた。

 これまで圧勝してきた河村氏の表明に、減税の佐藤夕子団長は「市民は河村市長に期待している」と強調した。議会の署名不正問題への追及にも「やり過ぎだと話す市民が多く、市長に同情的だ」と述べた。【太田敦子、岡正勝】

毎日新聞
2021/3/19 19:58
https://mainichi.jp/articles/20210319/k00/00m/010/277000c