立憲民主党は17日、放送事業会社「東北新社」の外国資本規制違反問題を巡り、同社が違反を報告したと主張する総務省の鈴木信也電波部長が国会で答弁する際、鈴木氏に「記憶がない」と声をかける出席者の発言があったと明らかにした。同党は発言者を武田良太総務相と推定し、鈴木氏に違反の報告を受けた記憶がないと答えるよう促したとの見方を示した。

 発言があったのは16日の衆院予算委員会。立民の逢坂誠二氏が「報告を受けた可能性はゼロではないということでいいか」と質問した後、鈴木氏が答弁席に向かう際、出席者の1人が「記憶がない」と発言する声が、審議の映像に残っていた。武田氏は自席に座っていた。鈴木氏はその直後に「私自身はそのような報告を受けた事実に関する記憶はない」と答弁した。

◆立民は「事実を隠そうとした可能性がある」と追及
 立民の奥野総一郎衆院議員は記者団に「大臣を中心に組織ぐるみで事実を隠そうとした可能性がある」と指摘した。立民は18日の衆院総務委員会で、武田氏に発言の事実関係をただす方針。(市川千晴)

東京新聞
2021年3月17日 19時23分
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