参院予算委員会の山本順三委員長(自民党)が8日の同委で、質疑中に声を張り上げた野党議員に「現在、(新型コロナウイルスでの)緊急事態(宣言)発令中です。大きな声は慎んでいただければありがたい」と注意する場面があった。山本氏が、騒然としたヤジとともに質疑者の大声を注意したことはあったが、質疑者のみの大声について宣言下を理由に注意したのは初めてとみられる。

 衆参の予算委では感染予防で出席者がマスクを着用し、答弁者の演台の前にアクリル板を設置している。だが声量の基準は設けられておらず、野党理事が委員長席に近づき「質問権の侵害になりかねない」と指摘して審議が1分半ほど止まった。

 注意は立憲民主党の小西洋之氏に対するもの。小西氏が首相の長男正剛氏らによる総務省幹部の接待問題で「長男がいなければ幹部は接待を断っていた。自身の政治責任を認めないのか」とただし、首相が「政府として深く反省している」とかわした後に、小西氏が「首相自身の反省が求められている。何を言っているんですか」と声を出した際だった。審議再開後、小西氏は「冷静に心を込めて質問する」と述べて質問を続けた。【飼手勇介】

毎日新聞
2021/3/8 19:05
https://mainichi.jp/articles/20210308/k00/00m/010/199000c