25日の衆院予算委で、立憲民主党の黒岩宇洋氏は、菅義偉首相が昨年10月にNHKの報道番組「ニュースウオッチ9」に出演した後、山田真貴子・内閣広報官が首相への質問を巡ってNHKに抗議の電話をかけたのではないかと質問した。山田氏は「総理のNHK番組出演に関して、番組出演後、電話を行ったことはない」などと述べ、NHKに電話したことを否定した。

 さらに、立憲の後藤祐一氏から「NHKという会社に電話したとは限らない。NHKの記者、職員などNHK関連の方に電話したことはないか」と問われ、山田氏は「私の方でたまたま残っていた通話履歴をみたところ、NHK関係者に発信したという履歴はなかった」と答えた。

 後藤氏が「携帯以外の方法、メールとか直接話すとか、他の手段を通じてNHK関係者に伝えたことはなかったか」と尋ねると、山田氏は「通告いただいてないので、確認してみたいと思うが、その日に直接NHKに出向いて誰かと話をするとか、そういったことはなかったと思う。メールも送った覚えはない」とした。

 後藤氏が「メールだけでなくSNSなど、いろんな伝達手段がある。あらゆる伝達手段を含めて、NHK関係者、記者、職員含めて伝えたことがあるか、文書で提出してもらえるか」と重ねて追及すると、山田氏は「なかなか難しいが、ちょっと検討してみる。連絡を取っていないと考えているが、いずれにしても考えてみたい」とした。

 NHKの番組では、キャスターから日本学術会議の会員任命拒否問題を質問され、首相は「説明できることとできないことがある」と語気を強めた。一部メディアは、山田氏が番組後、NHK側に電話して「総理、怒っていますよ」「あんなに突っ込むなんて、事前の打ち合わせと違う」などと抗議したと報じていた。

毎日新聞
2021/2/25 09:43
https://mainichi.jp/articles/20210225/k00/00m/010/032000c