「政治家は率先して襟を正すべきであり、このような行動をとったのは誠に残念、国民の皆さんに心からおわび申し上げる」

 緊急事態宣言中の深夜に東京・銀座のクラブでハシゴ飲食が発覚し、自民党離党を余儀なくされた松本純元国家公安委員長、田野瀬太道文科副大臣、大塚高司衆院議運委理事について、菅義偉首相は2日の衆院議院運委でこう陳謝していたが、宣言延長に対する不満と重なって自民党に対する世論批判も高まるばかりだ。

 とりわけ、当初は「1人で行った」などと嘘をついていたことが発覚した松本議員に対しては「国民に嘘をついていたのと同じだ」などとワイドショーでも取り上げられ、自民党の佐藤勉総務会長が「国民の前で虚偽の報告をしたことは決して許されるべきことではない」と憤っていたが、この松本騒動が“飛び火”しつつある自民党衆院議員がいる。安倍晋三前首相だ。

■安倍首相は議員辞職はもちろん離党すらしていない

 安倍前首相といえば、自身の後援会が主催した「桜を見る会」前夜祭の政治資金規正法違反などを問われた国会答弁で、19年11月から今年3月までの間、実に計118回も嘘をついていたことが衆院調査局の調べで分かっている。

 松本議員も安倍前首相も、ともに国民に対して嘘をついたという行為に変わりはないとはいえ、国権の最高機関である国会で、1年以上にわたって100回以上も嘘をついてきた安倍前首相の嘘は重大だろう。

 佐藤総務会長の言う通り、国民の前で虚偽報告してきたのだから、「決して許されるべきことではない」のは言うまでもない。にもかかわらず、安倍前首相はいまだに議員辞職はもちろん、離党すらしていないのはなぜなのか。国民から見れば、どうみても不公平でおかしいと映るだろう。

 松本議員の離党以降、ネット上では<嘘も犯罪も総理大臣ならセーフ。一般議員は即アウトが自民クオリティー><松本議員の嘘は論外とはいえ、安倍前首相は長期間の上、繰り返している。嘘以上の虚言><自民党の議員が平気で嘘をつくようになったのは安倍前首相の不誠実な姿勢にならったから>などと批判の声のオンパレードだ。

 菅首相が本気で「国民の皆さんに心からおわび申し上げる」のであれば、安倍前首相に議員辞職を迫るべきではないか。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20210203-00000029-nkgendai-life