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 立憲民主党の枝野幸男代表は31日の党大会で、秋までに行われる衆院選で政権交代を目指す決意を示した。ただ、低支持率にあえぐ立憲にとって、この目標実現のハードルは高い。党内には枝野氏の指導力を疑問視する声も漏れる。

枝野立憲代表、衆院選で「自公倒す」 初の党大会、政権交代へ決意

 「政権の選択肢として認めてもらうことが目標で、これには特効薬や奇策はない。地道に活動を展開していくことに尽きる」。枝野氏は党大会後の記者会見でこう強調した。
 立憲の衆院議員数は昨年9月の旧国民民主党との合流などを経て、109人にまで拡大。2009年に政権交代を果たした直前の旧民主党とほぼ肩を並べる規模だ。
 しかし、メディアの世論調査で菅内閣の支持率が急落する中、立憲の支持率は軒並み1桁台にとどまる。政権批判の受け皿として、世論の期待が集まっていないためだ。
 党関係者はこうした現状を「旧民主党政権の印象を拭いきれていない」と分析。実際、枝野氏や福山哲郎幹事長など主だった幹部の顔ぶれは旧民主党時代から代わり映えしない。12年の野党転落以降、「スキャンダル追及など政権批判ばかりで自民党に対抗する旗印がない」(立憲中堅)ことも低迷が続く要因となっている。
 このため立憲は、新型コロナウイルスの感染拡大も踏まえ、政策提案型への脱皮を図っている。先の新型コロナ特別措置法改正案などをめぐる自民党との修正協議では、立憲案をほぼ丸のみさせ、政権担当能力をアピールしてみせた。
 ただ、こうした対応が追い風となるかは見通せない。「衆院選を控えた野党第1党の党首としては物足りない」(若手)と党内の不満は枝野氏に向かっている。「結果次第で代表選だ」(中堅)との声も出ており、衆院選は枝野氏にとっても正念場となる。