菅義偉、ダメ人間だとは思っていたが、想像以上にダメでしたね。麻生太郎は漢字が読めなかったし、安倍晋三は日本語が苦手だったが、菅の場合、それ以前に自分の発言の内容すら理解していない。

 菅は施政方針演説(18日)で、脱炭素化の推進に関連し「あらゆる主体」を「あらゆるぜんたい」、不妊治療と仕事の両立を巡っては「後ろめたい」を「後ろめいた」と原稿を読み間違えた。

 昨年10月の所信表明演説では「重点化」を「げんてん化」、「改定」を「かいせい」、「貧困対策」を「貧困せたい」、「被災者」を「ひがいしゃ」と誤読。

 外遊先のベトナムでは「ASEAN」を「アルゼンチン」、「カバレッジ」を「カレッジ」と勝手に脳内変換した。

 揚げ足を取りたいのではない。誰でも読み違えることはある。しかし、菅の場合、政治家としてのデタラメさに直接つながっているのだ。

 政府のコロナ対策本部における発言では、緊急事態宣言の対象に追加された「福岡」を「しずおか」と誤読(13日)。議論の経緯を理解していればこういう誤読が発生する余地もない。要するに他人事なのだ。結局、被害を被るのは国民である。

 官房長官時代には、愛媛県の「伊方原発」を「いよく原発」、大阪府北部を震源とする地震の際には「枚方市」を「まいかた市」と誤読した。

 挙動も言動も不審。会見で医療体制を強化するための法整備について、「国民皆保険、そして多くのみなさんがその診察を受けられる今の仕組みを続けていくなかで、コロナがあって、そうしたことも含めてもう一度検証していく必要があると思っている。必要であれば、そこは改正をするというのは当然のことだと思う」と発言。国民皆保険制度を廃止するのかと騒ぎになり、官房長官の加藤勝信が火消しに追われた。

 発令した緊急事態宣言の効果が出なかった場合について質問されると「仮定のことは考えていない」と返答。

 意味不明。最悪のケースを仮定して、対策を怠らないのが危機管理の基本ではないか。

 コロナ対策で迷走した揚げ句、「ワクチンは感染対策の決め手だ」と結局は神風頼み。これでは国が滅びる。菅の持論は「国民から見て当たり前のことをやる」である。だったら、今すぐに総理を辞めろ。

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