菅義偉首相は27日、与党幹部2人が緊急事態宣言下で東京・銀座のクラブに出入りしていたことを陳謝した。首相自身も昨年12月に自民党幹部ら8人程度で会食している。国民に自粛を呼びかける中で、政権幹部の「ルール破り」が続けば、新型コロナウイルス対策への「本気度」が疑われかねない。与党は「国民からの信頼を失う」と危機感を募らせる。

 「緊急事態宣言の中で、さまざまな負担を国民におかけしている。そうしたことを踏まえた対応をお願いしたい」。加藤勝信官房長官は27日の記者会見で、自民党の松本純国対委員長代理と公明党の遠山清彦幹事長代理がそれぞれ、政府が不要不急の外出自粛を呼びかける午後8時以降に銀座のクラブを訪れていたことに苦言を呈した。

 これに先立つ参院予算委員会では、首相は「大変申し訳ない」と陳謝。公明党の赤羽一嘉国土交通相も「あってはならない。(遠山氏の)先輩の一人としてしっかり指導したい」と頭を下げた。与党議員の「不祥事」が起きた場合、政府は党執行部や議員個人に対応を委ねるケースが多い。首相や閣僚が国会審議で謝罪する姿は、この問題に対する政権の強い危機感を浮き彫りにしている。

 背景には、…

毎日新聞
2021年1月27日 19時47分
https://mainichi.jp/articles/20210127/k00/00m/010/229000c