麻生太郎財務相は22日の閣議後の記者会見で、新型コロナウイルス感染拡大を受けた一律10万円の「特別定額給付金」の再支給について「あれは税金ではなく政府の借金でやっている。さらに借金を増やすということか」と述べ、否定的な考えを示した。

 政府は2020年4月の緊急事態宣言時、全国民を対象に一律一人10万円の特別定額給付金を支給した。今回、宣言の再発令を受けてインターネット上で再支給を求める署名活動が広がっているほか、野党も再度の現金給付を求めている。

 これに対し麻生氏は「税金でやるという発想が間違い。あなたのために、あなたのご子孫に借金を増やしていくということなんでしょうか」と疑問を呈した。政府が10万円給付のために20年度第1次補正予算に計上した12・8兆円をすべて新規国債発行で賄ったことが念頭にあるようだ。

 麻生氏は19日の会見でも「前回のように一律10万円というようなことをやるつもりはない。(困窮世帯などに絞った給付も)考えにくい」と述べ、経営が悪化した企業に対する雇用調整助成金や資金繰り支援の拡充などで対応していくと説明していた。【和田憲二】

毎日新聞
2021年1月22日 16時00分
https://mainichi.jp/articles/20210122/k00/00m/010/166000c