国内で6日、報告された新型コロナウイルス感染者は6004人で、初めて6000人を超え、2日連続で最多を更新した。5日と比べて1000人以上増えており、爆発的増加の様相だ。東京1591人、神奈川591人、埼玉394人、千葉311人と、緊急事態宣言の検討対象とされる1都3県だけで半数近くを占めた。菅義偉首相は感染者数の増加を抑えるため、静かな年末年始を過ごすように求めていたが、効果は表れておらず、医療現場は限界に達している。宣言が長期化する可能性もある。

厚生労働省に新型コロナウイルス感染症対策を助言する専門家組織は6日、連日、最多更新が続く現状について「東京を中心とした首都圏で年末にかけてさらに増加したため、全国でも増加傾向が続き、過去最多の水準になった」との分析結果をまとめた。今月1日までの1カ月間に報告された国内の新たな感染者は約8万人で、その前の1カ月間の1・5倍となった。東京では人の動きが減らず、大都市圏の感染拡大が地方にも影響しているという。

西浦博・京都大教授は東京の新規感染者数が100人以下に減るまで約2カ月が必要との試算を専門家組織の会合に提出した。政府は2月7日までの1カ月程度の宣言発令を検討しているが「ここまで増えると1カ月で感染状況を下火にして、宣言を解除するのは困難」との見方をする専門家が組織内外で増えている。

分析結果によると、北海道は「流行が減速傾向」としたが、他の地域では流行が持続または拡大している。大阪は緊急事態宣言を要請する段階ではないとしているが、昨年12月下旬の段階で病床の使用率や療養者数、経路不明の割合など多くの指標が最も深刻なステージ4(爆発的感染拡大)の目安に達している。

栃木、群馬、広島、福岡、長崎、熊本、宮崎、沖縄でも新たな感染拡大や再拡大が起きている。

英国や南アフリカで広がる感染力が強いとされる変異種については、専門家組織の脇田隆字座長は「現状の分析では国内の感染拡大に影響しているとは考えていない」と述べた。(共同)

日刊スポーツ
2021年1月6日22時5分
https://www.nikkansports.com/general/news/202101060000909.html