東京都医師会の尾ア治夫会長は20日、都内で緊急の記者会見を開き、政府の観光支援事業「Go To トラベル」について、新型コロナウイルスの感染者の拡大に影響しているとの見方を示した上で、「一時中断していただきたい」と訴えた。

 尾ア会長は、東京でのGo To トラベルキャンペーン開始と感染拡大の時期が重なるとして「根拠ははっきりとは言えないが、影響しているのではないか」と指摘。冬場で持病が悪化する人が増え、医療崩壊が起きることに懸念を示しながら、「国、都から一時ストップの提案を検討してほしい」と強調した。

 東京だけでなく北海道や愛知、大阪など全国で感染拡大が止まらない状況を挙げ「動きを止めないと大変なことになる」と、医療側として強い懸念を示した。

 尾崎会長は、Go Toの中断ができないなら、対象を近場の旅行だけにするか、遠方の旅行にはPCR検査などを組み込むよう提案した。

 ほぼ毎日飲む「のんべえ」という尾崎会長は「菅首相が言う『静かな会食』は無理だと思う。お酒を飲むと守れなくなる。飲みに行くなら10日に1度して、あとは家飲みを」と話した。

東京新聞
2020年11月20日 18時06分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/69632