「ですから、ですから」――。「権力」の使い方を勘違いしている「パワハラサディスト」の頭の悪さには小中学生も驚いているだろう。つくづく、こんな男が総理大臣なんて日本は世界の笑いものになるだけだ。

「全集中の呼吸で答弁させていただきます」。2日の衆院予算委で、野党側の質問前にこう切り出して大スベリした菅首相。日本学術会議の会員任命拒否の理由を繰り返し問われたものの、従前のワケの分からない説明を繰り返すばかり。もはや、議論がかみ合わないというレベルじではない。質問されたことに対し、まったく的外れの答弁を繰り返していたからむちゃくちゃだった。

 菅首相は、与党議員の質問に対し、「閉鎖的で既得権益のようになっている」とも答えていたが、「閉鎖的で既得権益」になっているのは他ならぬ今の政府、自民党だろう。さらに「推薦した方をそのまま任命する前例を踏襲するのは止めるべきだ、と判断した」とも言っていたが、学術会議法に従って推薦することは「前例踏襲」でも何でもない。

「法律」=「前例踏襲」と考えているとすれば論外。思考停止状態の自民党議員はともかく、菅の周辺や親族も「正しい」と考えているのであれば、あの「マンセー国」と変わらない。

 近年の歴代自民党政権で、麻生元首相は「勘違いのアホウ」、安倍前首相は「思い込みのアベ」と言われてきたが、どうやら菅首相は「本物のスカ」のようだ。

日刊ゲンダイ
2020/11/03 06:00
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