菅義偉首相は2日の衆院予算委員会で、日本学術会議から推薦を受けながら会員に任命しなかった6人について、東京大の加藤陽子教授を除き名前を知らなかったと説明した。学術会議による人選を「閉鎖的で既得権益のよう」とする一方、6人を除外した理由についてはこの日も具体的に語らなかった。

 首相が就任後、一問一答形式の委員会の答弁に立つのは初めて。学術会議の問題に多くの質疑があてられ、野党は6人の任命除外、与党は学術会議のあり方などを中心にただした。

 首相は任命除外した6人をめぐり、事前に研究や業績、名前を把握していたかを問われ、「加藤先生以外の方は承知していなかった」と答弁。加藤氏を除く5人の著作なども読んだことがないと認めた。

 首相は学術会議が提出した105人分の推薦名簿について「見ていない」と改めて述べたが、加藤氏を除き人物像も把握していなかったことになる。

朝日新聞
2020年11月2日 20時05分
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