https://www.zakzak.co.jp/soc/news/201014/for2010140004-n1.html
 習近平国家主席率いる中国が逆ギレした。王毅国務委員兼外相が、日本と米国、オーストラリア、インドが進める「自由で開かれたインド太平洋」構想に猛反発したのだ。そもそも、4カ国は、中国共産党政権による軍事的覇権拡大に対抗するために、「自由・民主」「人権」「法の支配」という基本的価値観のもとで結束した。批判は筋違いというしかない。

習近平

 「米国の主導的な地位と覇権システムを守っている」「インド太平洋版の新たなNATO(北大西洋条約機構)の構築を企てている」

 中国外務省によると、王毅氏は13日、訪問先のマレーシアでヒシャムディン・フセイン外相との会談後、共同記者会見でこう語ったという。

 王毅氏はさらに、「自由で開かれたインド太平洋」構想について、「東南アジア諸国連合(ASEAN)を中心とした地域協力の枠組みと衝突し、東アジアの平和と発展の将来を損なう」といい、ASEAN各国に警戒を呼び掛けたが、チャンチャラおかしい。

 中国は、東・南シナ海で「力の支配」を試み、香港での「一国二制度」拒絶し、尖閣諸島周辺への侵入、台湾への威嚇、インドとの武力衝突など、軍事的覇権拡大を進めている。

 東京で6日開催された「日米豪印外相会談」は、中国共産党政権の暴走に対峙(たいじ)するものであり、こうした「対中国」「中国警戒」の動きは、欧州でも英国やフランス、ドイツにも広がりつつある。

 中国事情に詳しい評論家の石平氏は「中国がアジアを脅かすなか、日米豪印の連携は当然だ。中国に批判する資格はない。NATOは本来、旧ソ連の脅威に備える枠組みだ。中国が『新NATOだ』と批判すれば、皮肉にも、アジアの脅威と自ら認めることになる」と語った。