自民党の杉田水脈衆院議員が、性暴力被害者支援をめぐり「女性はいくらでもうそをつけますから」と発言したことへの波紋が広がっている。今も処分をしない自民党の対応を疑問視する声は29日、身内の橋本聖子男女共同参画担当相からも飛び出し、立憲民主党の福山哲郎幹事長は自民党に杉田氏の処分を求めた。自民党には、政権政党としての責任が求められている。

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杉田氏の発言について問われた橋本男女共同参画相が、会見で踏み込んだ。「非常に残念だ」と批判した上で、個人的意見としながらも「自民党として適切な措置をするべきだった」と指摘した。「コロナ禍で女性が大変な困難に陥っている。声なき声を支援に結びつける努力を踏みにじるような発言ではなかったか」とも述べた。

杉田氏の発言は25日、自民党の会議で、出席した政府担当者から性暴力被害者の相談事業に関する説明を受けた際に飛び出した。出席した複数の関係者が発言を認めているが、杉田氏は「報道にあるような女性を蔑視する趣旨の発言はしていない」と否定している。

発言が報じられ、性暴力撲滅を訴える「フラワーデモ」の主催者らが謝罪と議員辞職を求める署名をインターネット上で呼び掛けると、9万筆以上が集まった。杉田氏には厳しい視線が注がれるが、処分に踏み切らない自民党に対しても同様だ。立憲民主党の福山哲郎幹事長は会見で「自民党の中で処分なり、どういう対応をされるのかを注視したい」と述べ、自民党の動きを見守る構えを示した。

一方、野田聖子党幹事長代行は29日、フラワーデモ主催者から面談の依頼を受けたが断った。党として積極的に発言をいさめるような動きも、いまだに出ていない。

日刊スポーツ
2020年9月29日21時44分
https://www.nikkansports.com/general/news/202009290000732.html