政治部

2020年9月9日 水曜 午後6:00




「麻生―古賀」の因縁に翻弄された岸田氏

安倍晋三首相の突然の辞任表明を受けた自民党総裁選挙。その行方を大きく左右したと思われるのが次の言葉だ。

「古賀とメシを食ったその足で俺のところに来るなんて、どういうことなんだ」

これは7年8カ月もの間、安倍首相の盟友として政権を支え続けてきた麻生太郎副総理が、当初ポスト安倍の最有力と言われてきた岸田文雄政調会長への怒りを周囲にぶちまけた言葉である。
発端は、首相が退陣表明した8月28日夜、岸田氏を含む岸田派幹部が都内に集まり今後の対応を協議した会合。この会に派閥名誉会長である古賀誠元幹事長が出席していたことを、これまで岸田氏にポスト安倍の一定の期待をかけてきた麻生氏が問題視したのだ。

「話に来る順番が違うだろう」

麻生氏と古賀氏は、共に福岡を地盤にしているが、長年に渡る地元での勢力争いや、安倍政権へのスタンスを含む政治的路線などを巡って「水と油の関係」(自民党関係者)だった。もちろん岸田氏もこの政治的確執を熟知していて、ポスト安倍に向けて、いかにして麻生氏・古賀氏双方の協力を得るという必要条件をクリアし、安倍首相からの支持を受けて勝利の方程式を完成させるかを模索してきていた。

しかし、ポスト安倍レースは安倍首相の電撃辞任により風雲急を告げた。
安倍首相が退陣表明をした2日後の30日夕方、岸田氏は麻生氏の個人事務所を訪れていた。岸田氏は麻生氏に対し総裁選に出馬する意向を伝えるとともに、麻生派の支援を要請し、深く頭を下げた。
ところが、この日の岸田氏に対する麻生氏の対応は、自らも期待をかけ、安倍首相が後継と目していたはずの人物への対応とは思えないほどそっけないものだった。麻生氏の返答は、「首相が支援するのであれば」という“条件付きの支援”だった。麻生氏が岸田氏の“仁義の切り方”に強い不快感を抱いたことが、この対応につながったことは想像に難くない。

     ===== 後略 =====
全文は下記URLで

https://www.fnn.jp/articles/-/82861