カジノを含む統合型リゾート(IR)事業をめぐる汚職に絡む贈賄側への証人買収事件で、組織犯罪処罰法違反の疑いで逮捕された衆院議員の秋元司容疑者(48)が、贈賄側を買収するため実際に持参された資金の半分にあたる1千万円を自ら用意した疑いがあることが関係者への取材で分かった。東京地検特捜部は、秋元議員が買収工作の主導的役割を担ったとみている。

 秋元議員は国土交通副大臣やIR事業を担当する内閣府副大臣だった2017年9月28日、IR進出を目指していた中国企業「500ドットコム」の元顧問、紺野昌彦被告(48)と仲里勝憲被告(48)らから衆院議員会館内の事務所で現金300万円を受け取るなど計約750万円相当の賄賂を受け取ったとして、今年1〜2月に起訴された。秋元議員は無罪を主張。2月に保釈された。

 証人買収事件は二つのルートがあるとされる。一つは秋元議員の支援者で会社役員の淡路明人容疑者(54)と、その知人の佐藤文彦容疑者(50)が関与するものだ。

朝日新聞
2020/8/21 5:00
https://www.asahi.com/articles/ASN8N76R0N8NUTIL015.html