野党の結集プランは、結局、国民民主党が分党する形になった。

 国民民主党は11日臨時執行役員会を開き、立憲民主党との合流について協議したが、まとまらなかった。役員会の終了後、玉木雄一郎代表が会見を開き「国民民主党を解党し、立憲への合流組と残留組に分党する」と表明。玉木氏自身は合流に参加しないという。来週にも両院議員総会を開催し、分党について了承手続きをとる予定だ。

 唐突に決まった国民民主党の分党。玉木氏は党内でかなり追い込まれていたという。

「立憲民主党との合流を前に進めない玉木さんに対して、党内は不信感を強めていました。クーデターの動きもあった。党内で署名を集めて両院議員総会を開かせ、立憲との合流について決を採るというシナリオが囁かれていました。数の力で合流が決まる可能性があった。しかし、議員の署名で無理やり両院議員総会を開催させられ、合流まで決められたら、さすがに玉木さんは代表を辞めざるを得ない。クーデターの前に、分党を持ち出したのが実態でしょう」(政界関係者)

 そもそも、玉木氏は最初から立憲と一緒になる気はなく、いずれ安倍自民党と連立を組むつもりだ、という臆測も飛んでいた。実際、はやくも安倍周辺からは「問題は玉木氏が何人つれてくるかだ」と期待する声も上がっている。

 この先、合流組と残留組との多数派工作が激化するのは間違いない。国民民主党はどんな形で分党するのか。

「国民民主党の所属議員は、衆院40人、参院22人です。衆院議員で玉木さんについていくのはマックス6人。少ないと3人でしょう。大半は立憲と合流するはずです。ただ、参院議員はまったく読めない。半々に分かれてもおかしくありません」(政界事情通)

 野党の大同団結を恐れていた安倍首相は、今頃、ホッとしているに違いない

日刊ゲンダイ
2020/08/12 14:50
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