難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の女性患者(当時51)に対する嘱託殺人容疑で医師2人が逮捕された事件をめぐり、元都知事で作家の石原慎太郎氏が自身の公式ツイッターに投稿した内容が波紋を呼んでいる。石原氏はALSを「業病(ごうびょう)」と表現したが、業病とは「悪業(あくごう)(前世の悪事)の報いでかかると考えられてきた難病」(広辞苑)を指す。いわれのない言葉だとして関係者から批判の声が上がり、石原氏は31日、公式ツイッターに謝罪の言葉を投稿した。

 きっかけは27日の投稿だ。事件について「業病のALSに侵され自殺のための身動きも出来ぬ女性が尊厳死を願って相談した二人の医師が薬を与え手助けした事で『殺害』容疑で起訴された」(原文のまま)と記し、逮捕された医師2人の刑事責任を問う検察を批判する内容だった。

 ツイートに対し、ネット上では「とんでもない差別発言」「作家なのに業病の意味さえ知らないのか」といった批判が相次いだ。

朝日新聞
2020年7月31日16時08分
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