立憲民主党の枝野幸男代表が、次期衆院選に向けた目玉政策の打ち出しに苦慮している。

5月末に「政権構想の私案」として、所得再分配機能を強化する「機能する政府」を発表したが、
党内からは「抽象論に過ぎず、有権者へのアピールに欠ける」との不満が上がった。

野党には安倍政権に独自政策を取り込まれてきたトラウマもある。政権に対し、明確な対立軸を見いだせるのか――。

 「自己責任を強調する社会を『互いに支え合う社会』に変えなければならない」。
枝野氏は6日、衆院選をにらんだ全国行脚の第1弾として訪れた高知市での党会合で、自身の政権構想を説明した。

新型コロナウイルス対応を巡り、日本の「小さすぎる行政」の弊害が浮き彫りになったとして、「機能する政府」への転換も訴えた。
枝野氏によると、出席者から「いい政策を出してもらった。自信をもって、これに基づく政権構想を打ち出してほしい」と激励を受けたという。

立憲政調などは「枝野私案」をもとに政策の具体化を急ぐ方針だ。

立憲はもともと所得再分配機能を強化する「大きな政府」を視野に入れていた。ただ「大きな政府」は公務員優遇を想起しやすく、
前面に掲げづらかった。転機となったのは、新型コロナウイルスの感染拡大だ。

格差問題が表面化したことで、立憲関係者は「今なら『政府の機能強化』に対し、有権者の支持を得られると考えた」と説明する。
 だが、「枝野私案」に対する党内の評価は芳しくなかった。私案は…

https://mainichi.jp/articles/20200713/k00/00m/010/219000c