カジノを中核とした日本の統合型リゾート(IR)を巡る汚職事件に絡み、中国への視察旅行中に中国企業側から100万円を受け取った白須賀貴樹・衆院議員(45)(自民、千葉13区)が、その現金でお土産の高級ブランドバッグを購入していたことが関係者の話でわかった。カジノでも使用し、余りは日本に持ち帰っていた。

 関係者によると、白須賀氏は2017年12月27〜29日、秋元司・衆院議員(48)(収賄罪で起訴)に誘われ、中国企業「500.com」が秋元被告を招待した視察旅行に同行。「自民党宮城県第五選挙区支部」の支部長を務める勝沼栄明・前衆院議員(45)らも参加し、中国・深センの同社本社やマカオのカジノ施設を訪れた。旅費は同社側が負担した。

 白須賀氏は旅行2日目の同月28日、マカオのショッピングモールの通路上で同社元顧問・仲里勝憲被告(48)(贈賄罪で起訴)から100万円入りの封筒を受領。勝沼氏もトイレ内で仲里被告から100万円を受け取ったという。

 白須賀氏はその現金を使い、モール内の高級ブランド「イヴ・サンローラン」でバッグを数十万円で購入。残りは香港ドルに替えてカジノで使用し、余った分は持ち帰って日本円に両替したという。

 白須賀氏は東京地検特捜部の任意の事情聴取に対し、相手は思い出せないとしつつ、100万円の受領やバッグの購入を認め、「非常に反省している」と述べたという。勝沼氏も受領を認め、生活費に充てたなどと説明した。

 白須賀氏の事務所は14日、「当局からの聴取には真摯に協力し、何ら法令に反する点はないと説明している。これ以上の詳細は差し控える」とのコメントを出した。勝沼氏の事務所は「お答えは控える」としている。

 事件では、内閣府のIR担当副大臣だった秋元被告が、「500」社側から視察旅行の旅費など計約185万円相当を含む総額約760万円相当の賄賂を受け取ったとして起訴された。秋元被告は起訴事実を否認している。白須賀氏は当時、IRに権限のある政府の役職に就いておらず、旅費と現金100万円について、収賄容疑での立件は見送られた。勝沼氏は17年10月の衆院選で落選していた。

読売新聞
2020/07/15 07:46
https://www.yomiuri.co.jp/national/20200715-OYT1T50144/