竹本直一IT・科学技術担当相(79)は26日の閣議後記者会見で、「日本の印章制度・文化を守る議員連盟」(通称・はんこ議連)の会長を5月初旬に辞任したと明らかにした。昨年9月の入閣以降、デジタル化を推進する大臣の立場との整合性を疑問視する声が上がっていた。

 インターネット上での批判を目にした他の議員から会長交代の提案があり、辞任を決めたという。竹本氏は「会長であることでデジタル化に阻害があったとかは一切ない。デジタル化を進めるのが私の仕事だった」と強調した。後任の会長を城内実衆院議員に託し、議連からも退会したという。

 竹本氏によると、議連には当選回数の多い議員が少なかったため、依頼を受けて就任した。入閣時の記者会見で「デジタルと印鑑が共に栄えるために知恵を絞りたい」と話したが、新型コロナウイルスの感染拡大で印鑑がテレワークの妨げとなる問題が浮上し、さらに批判が高まっていた。

 竹本氏は「はんこは日本の文化の一形態で、邪魔だから消してしまえとは考えていない。ただ、はんこをもらうためにわざわざ出社しないといけない、というのは実に無駄で、やめなきゃいけない」などと述べた。【池田知広】

毎日新聞
2020年6月26日 20時03分
https://mainichi.jp/articles/20200626/k00/00m/010/217000c