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雨が降っている

雨が降っている
何度この雨を見送ってきたのだろう
雨が降っている
蘇鉄の緑はまぶしいのに

僕たちは
惨めに
雨に濡れている
何度、このような6月を見送ってきたのだろう

雨が降っている
僕たちは愚かにも
同じことを繰り返している

僕たちは自分達を信じられないので https://t.co/SmtvwQpt3s pic.twitter.com/jcjGDG3fmW

— 原口 一博 (@kharaguchi) June 23, 2020

続き

僕たちは自分達を信じられないので
いつも狼を選んでしまう
僕たちは自分たちが嫌いなので
狼を選んでしまう

狼が仲間を噛み砕く音さえも
綺麗な音楽だと教えられて
僕たちはいつもバケモノを選んでいる

自分の最期の日まで
バリバリと
狼が
僕の骨を砕くまで
羊の僕たちは
気づかない

雨が降っている
紫陽花の青は、痺れかけた頭をも
ハッとさせるような青なのに

僕たちは今日も雨に竦んでいる
雨が降っている

バリバリと
バケモノが僕たちを砕く音がする
脳髄をすする音がする

雨が降っている
何度、この季節を見送ってきたのだろう

雨が降っている

2020/06/24 原口一博作

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