任期満了に伴う東京都知事選が18日告示され、17日間の選挙戦が始まった。新型コロナウイルスの感染が続く状況下で行われる今回の選挙は、新型コロナ対策や、来年に延期された東京五輪・パラリンピック開催の是非、再選を目指す現職小池百合子氏(67)の4年間の都政に対する評価が争点となる。7月5日に投開票される。

 午後一時現在、立候補を届け出たのは二十一人で、過去最多の前回知事選に並んだ。主な候補者は届け出順に、れいわ新選組代表の山本太郎氏(45)、自民党と公明党の実質支援を受ける現職の小池氏、立憲民主党と共産党、社民党が支援する元日本弁護士連合会会長の宇都宮健児氏(73)、日本維新の会推薦の元熊本県副知事小野泰輔氏(46)、NHKから国民を守る党推薦で諸派の同党党首立花孝志氏(52)ら。

 各陣営は、街頭演説の場所を非公表にするなどして密集を避け、感染防止に工夫を凝らしながらの選挙戦スタートとなった。

 新型コロナを巡り、山本氏は「コロナは災害。命を守るのがトップの役割だ」と訴え、小池氏は「万全の医療・検査体制の確保を進めていく」とアピール。宇都宮氏は「自粛や休業に伴う補償を徹底する」とした。小野氏は「的確な対策をしつつ経済を復活させる」、立花氏は「飲食業、イベント業の人を守る」と過度な自粛に異を唱えた。東京五輪・パラ大会には小池氏が開催を目指すのに対し、宇都宮氏が中止も視野に早期に判断するべきだとの考えで、山本氏はIOC側に中止を伝えると明言。小野氏と立花氏がさらなる延期を訴えている。

 小池都政を巡っては、小池氏が前回知事選や二〇一七年の都議選で自民党都連を「ブラックボックス」などと批判してきたことから、小池氏は都議会で自民と激しく対立。自民都連は独自候補擁立を模索したが、党本部は小池氏支援に傾き、最終的に擁立を断念した経緯がある。

 野党側も立民、共産、社民、国民民主の四党で統一候補擁立を目指したが、擁立には至らなかった。連合東京は小池氏の「支持」を決定した。

 十七日現在の選挙人名簿登録者数は千百四十六万八千九百三十八人。 (原昌志)

東京新聞
2020年06月18日 14時29分
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