黒川弘務東京高検検事長が東京都内の新聞記者宅で賭けマージャンをしていた問題で、法務省の川原隆司刑事局長は黒川氏が「1000点100円」のいわゆる「テンピン」のレートでマージャンをしていたと明かしたうえで、このレートについて「社会の実情を見ると、必ずしも高額とは言えない」との見解を示した。

 黒川氏に懲戒処分が行われなかった理由を尋ねた無所属の山尾志桜里衆院議員への答弁。川原氏は「賭けマージャンは許されるものではない」と断りつつ、処分は黒川氏が5月1日と13日に参加した賭けマージャンのレートも考慮して処分を決めたと説明した。金銭の多寡にかかわらず賭けマージャンは違法だが、レートは警察による摘発の基準の一つになっているとされる。

 川原氏は、黒川氏が記者が手配したハイヤーに同乗して帰宅していたことも認めたが、「黒川氏個人のために手配されたハイヤーではなく、社会通念上相当と認められる程度を超えた利益供与があったとは認められない」とし、ハイヤーへの同乗は処分の対象事実には含めなかったとも説明した。【青木純】

毎日新聞
2020年5月22日 15時54分
https://mainichi.jp/articles/20200522/k00/00m/040/118000c