黒川弘務・東京高検検事長が緊急事態宣言中にマージャンをしていたと週刊文春の電子版が20日に報じたことを受け、与野党からは「事実なら辞任すべきだ」との発言が相次いだ。

 政府・与党は18日に高検検事長らの定年延長を可能とする検察庁法改正案の今国会中の採決を断念したばかり。渦中の人物の不祥事発覚について、公明党の石田祝稔政調会長は記者会見で「法と証拠に基づいて適正に職務を遂行する検察中枢の幹部だ。事実なら職務を続けられる話ではない」と述べた。自民党内でも問題視され、閣僚経験者は「もう検事総長にはなれないだろう。国民が外出を控えている時期に自覚がなさ過ぎる」と突き放した。

 立憲民主党の安住淳国対委員長は国会内で記者団に「高検検事長という職責を果たすことはこれ以上無理だ。組織のリーダーとして失格。直ちに辞任すべきだ」と批判。賭けマージャンだった疑いも報じられており、安住氏は「賭けマージャンをやるような人の定年を延長したとすれば、『余人を持って代えがたい』というのはどういう理由なのか。任命者の責任を問わなければならない」と述べ、今年1月に黒川氏の定年延長を閣議決定した政府の責任も指摘した。

 共産党の小池晃書記局長は「事実なら検事長にとどまることは許されない。法解釈を変えて閣議決定までして定年延長したわけで、安倍政権の責任は二重三重に重大だ」と語った。【浜中慎哉、東久保逸夫】

毎日新聞
2020年5月20日 19時06分
https://mainichi.jp/articles/20200520/k00/00m/040/200000c