自民党の河井案里参議院議員の陣営による選挙違反事件で、夫の河井克行前法務大臣ら陣営側が去年3月以降、地元の県議会議員や後援会幹部など数十人に対して、合わせて2000万円を超える現金を渡していた疑いがあることが関係者への取材で分かりました。検察当局は現金提供の事実関係や趣旨などについてさらに実態解明を進めるものとみられます。

河井案里議員が初当選した去年7月の参議院選挙をめぐっては、広島地方検察庁などが陣営の資金が買収に使われた疑いがあるとみて、公職選挙法違反の疑いで複数の県議会議員や市議会議員の関係先を捜索するなど捜査を進めています。

この事件で夫の河井克行前法務大臣ら陣営側が、案里議員が立候補を表明した去年3月以降、地元の地方議員や後援会幹部など数十人に対して合わせて2000万円を超える現金を渡していた疑いがあることが関係者への取材でわかりました。

金額は1人数万円から数十万円とみられます。

案里議員の陣営側からは、現金の配布先を記載したとみられる一覧表などが押収されているということです。

検察当局は東京地検特捜部の検事を広島に派遣するなど捜査態勢を拡充していて、現金提供の事実関係や趣旨などについてさらに実態解明を進めるものとみられます。

河井前大臣の事務所は先月6日、「関係者に対する捜査が行われているところであり、現時点でのコメントは差し控えさせていただきます」としています。

NHKニュース
2020年5月16日 17時29分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200516/k10012433221000.html