自民党は7日、経済成長戦略本部と新型コロナウイルス関連肺炎対策本部の合同会議を国会内で開いた。あらかじめ広めの会場が用意されたにもかかわらず、政府に物申したい議員が殺到。立ち見が出るほどの満員状態となり、期せずして「3密」に近い状態となった。

 会議では、減収となった事業者に対する家賃支援など新型コロナウイルスに悩む国民のためのさらなる支援が検討された。通常、党会合には国会近くにある党本部の会議室が利用されるが、この日はあえてより広い国会議員会館の大会議室を使用。密接を避けるため1席ずつ空けて準備された。入り口のドアは開いていたが、席が足りなくなるほど議員が押し寄せたため、結局詰めて座り「3密」に近い状態になってしまったという。

 党は4月中旬から「3密」対策として、外交や厚生労働など分野ごとに政策を議論する「部会」と呼ばれる会議を原則中止している。そのため、議員にとってこの日の会議は地元の意見を反映させる「貴重な場」となり、議論は約4時間15分の長丁場となった。

 ベテラン議員は「みんな言いたいことがたくさんあるんだよ。熱心なのはいいことだ」と解説するが、その熱心さがあだとなった。ある閣僚経験者は「これじゃ3密どころか酸欠だよ」と苦笑いしていた。【高橋恵子】

毎日新聞
2020年5月8日 06時00分
https://mainichi.jp/senkyo/articles/20200507/k00/00m/010/209000c
https://cdn.mainichi.jp/vol1/2020/05/07/20200507k0000m010228000p/8.jpg