クリエイティブ面について言えば、気になるのは3と4だ。まず、どう考えてもこれはアーティスト側が求めている“コラボレーション”ではない。コラボレーションとは「共同作業」という意味であり、これまで賛同してきた数々のアーティストやミュージシャンはそれを形にしている。

 しかし、お茶を飲んだり犬を抱いたりすることがコラボレーションにあたらないことは、誰の目にも明らか。「星野源って人気があるらしいから、“コラボ“すれば受けんじゃね?」というような、きわめてチャラい、浅はかすぎる行為でしかない。

 しかもそれは、人の心に寄り添ったアイデアを思いつき、形にした星野源への冒涜であるとすら言えるのではないか? 先に触れた「そこにいる人が作品になる」インスタレーションの会場で、誰も欲しがらない自分のイメージ写真集を叩き売りするような無神経さである。

 いずれにしてもこの有事にあって、この国の首相がとてつもなくダサく、恥ずかしく、みっともないことをやらかしたことは絶対的な事実だ。我々は国民として、こういうリーダーを持ってしまったことを明確に恥じるべきだ。だからこそ、このことを「単なるエピソード」として消費してはいけない。

 だとすれば、なにをすべきなのか? 次の選挙で、1票に思いを託すのだ。