日朝首脳会談は見通しすら立たず、北方領土返還をめぐる対ロ交渉も暗礁。ハリボテの“外交のアベ”を取り繕うべく安倍首相が執心する、中国の習近平国家主席の国賓来日も頓挫した。日中ともに感染拡大中の新型コロナウイルスへの対応が理由にされているが、果たしてそうなのか。


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「中国人の大半が利用するSNS『微博』に投稿された、安倍首相がせき込む動画が拡散し、習近平主席の訪日中止のダメ押しになったのではないか」(金融関係者)

 問題の動画は3日の参院予算委員会の映像を編集したもの。答弁に立った安倍首相は咳をこらえられず、口元を覆った手を尻に回してゴシゴシ。なかなか咳は収まらず、しまいには腕で口を押さえる始末。真後ろの閣僚席で一部始終を見ていた高市総務相が目をむくシーンが強調されている。コロナ禍の最中、安倍首相の感染疑惑が広がるわけだ。

「新型コロナの逆流感染を警戒する北京市や上海市が、日本からの入国者に14日間の隔離措置を取ると発表したのが3日。その日の国会で安倍首相が激しくせき込む動画が拡散し、まさに最悪のタイミングだった。ツイッターに英語で投稿され、こちらもどんどん拡散しています」(前出の金融関係者)

 6日の参院本会議でも安倍首相は終始鼻声で、咳を繰り返していた。菅官房長官は「花粉症の症状が少し出ていたのかなと思う」と感染疑惑を一蹴したが、都合が悪いとウソをつく政権のこと、疑念は消えない。

 成果欲しさの習近平訪日、レガシー欲しさの東京五輪開催にこだわった揚げ句、市中感染が拡大した。どうなっても、身から出たサビだ。

日刊ゲンダイ
2020/03/07 14:50
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/270111/