和泉洋人首相補佐官(66)との公費を使った不倫出張が国会などで問題視されている大坪寛子厚労省大臣官房審議官(52)が、新型コロナウイルスの集団感染の舞台となった大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」で問題行動をとっていたことが「週刊文春」の取材で判明した。

 乗船した医師によれば、大坪氏は背中に〈厚生労働省〉と記された紺色のジャージに身を包み、関係者の作業場となっている「サボイ・ダイニング」に詰めているというのだが、「正直、大坪さんが船内で何の仕事をしているのか、全く分かりません。船内の医療対策本部の事務方トップは、厚労省から環境省に出向中の正林督章大臣官房審議官が務めており、同じ審議官の大坪さんが指示系統の上位にいてもおかしくない。でも実際は、彼女からの指示や問い合わせは全くなく、朝夕の全体ミーティングでも一切発言はありませんでした」

 そしてこの医師は、大坪氏が船内で起こした2つの問題行動についてこう証言する。

「作業場であるサボイ・ダイニングは左右に分けられており、右側は食事可能エリア。一方、左側の作業エリアでは、感染対策で飲食ができないルールになっていました。しかし大坪さんは、作業エリアにもスイーツやコーヒーを持ち込み、『美味しい』と言いながら堂々と飲み食いしていたのです。あるときその様子を見咎められ、全体ミーティングで『作業エリアで喫食しないように』と改めて注意喚起がありました」

 さらに、こんな緊張感に欠けた様子も見られたという。

「基本的に船内では常にマスクをしていなければなりません。外しても良いのは、着席して食事を摂るときくらいです。しかし大坪さんは、マスクをしていない姿がしょっちゅう目撃されています。そのため、こちらも全体ミーティングで看護師から『マスクをしていない人がいる。着用を徹底するように』と注意がありました」(同前)

 一連の問題行動について事実確認を厚労省に求めると、大坪氏から以下の書面回答があった。自身の問題行動の有無については、詳細には回答しなかった。

「ご指摘の食事スペースに関する取り決めは当初から設けられておらず、職員等が事務スペースで水分補給や休憩等を行っている状況を踏まえて、一部の医療関係者からそうした提案があったことは事実です。現在も食事スペースに関して明確なルール化はされていませんが、各自、衛生管理に細心の注意を払っております。

 船内において、食事時以外でマスクを着用していない職員等はおりません。そのため、改めてマスク着用に関する注意喚起があった事実は承知しておりません」

 2月27日発売の「週刊文春」では、今日の事態を招いたのは誰なのか、「ダイヤモンド・プリンセス号」内の様子の詳細や、加藤勝信厚労大臣、橋本岳同副大臣らの言動、地元後援会の新年会のために新型肺炎の対策会議を欠席した小泉進次郎環境相の近況など、「新型コロナ肺炎非常事態」を15ページにわたって詳報している。

文春オンライン
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