【ニューヨーク=後藤達也】米テレビのフォックス・ビジネスによると、日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告は経営トップの座から引きずり下ろされたのはクーデターが起きたためだとし、「実際の証拠がある」と語った。クーデターに関与した人物には日本政府関係者も含まれているという。週内に開く記者会見で氏名を明らかにするという。

ゴーン被告が先週末にフォックス・ビジネスの著名ニュースキャスターに対して語った。ゴーン氏は日産とルノーの合併を進めようとしていたため、「彼らは私を引きずり下ろしたかった」と主張している。ゴーン被告はその証拠となる文書も持っているという。

ゴーン被告は日本の司法制度を理解できず、「気力を奪われ、苦しめられた」と話した。会長を解任されてからは「危険な立場」に置かれたため、日本からの逃亡を決めたとしている。妻と話すことが許されなかったことにも強い不満を示した。

ゴーン被告は金融商品取引法違反などで起訴されていたが、保釈中の2019年末にレバノンへ逃亡した。20年1月2日には「裁判から逃れたのではなく、不公平さと政治的な迫害から解き放たれた」などとする声明を出していた。ゴーン被告は8日にもレバノンで記者会見を開くとみられている。

日本経済新聞
2020年1月7日 2:16
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54097720X00C20A1000000/