学校法人「森友学園」(大阪市、民事再生中)が大阪府豊中市の国有地で開校を計画していた小学校を巡り、校舎を施工した建設会社「藤原工業」(同府吹田市)が25日、土地と校舎を一体で売却する交渉に、国と学園の管財人が応じるよう、大阪簡裁に調停を申し立てた。国は更地に戻すことを求めているが、同社は「校舎を有効活用すべきだ」と訴えている。

 申立書などによると、藤原工業は2015年12月、学園から小学校の校舎建築を請け負った。産業廃棄物の撤去費用を含めた約20億円をかけ、2階建て(一部3階建て)の校舎がほぼ完成した。

 しかし17年、校舎建設の補助金を詐取したなどとして、理事長だった籠池泰典被告(66)=詐欺罪などで公判中=を大阪地検が逮捕、起訴。学園は開校を断念し、国が用地を買い戻した。

 学園は同社に代金の一部として約4億6000万円を支払ったが、17年に民事再生法の適用を申請。残金は払われないまま、負債の97%を免除する再生計画案が認可された。

 同社には、学校法人や社会福祉法人から購入の問い合わせがあるという。記者会見した藤原浩一社長は「校舎の撤去には約10億円かかる。土地と一体で売却し、別の法人に学校として使ってもらうのが合理的だ」と話した。【村松洋】

毎日新聞
2019年12月25日 19時01分
https://mainichi.jp/articles/20191225/k00/00m/040/198000c