伊藤詩織さんとの裁判の判決を受け、日本外国特派員協会での会見で、外国人記者が山口さんに投げかけた質問とは。

意識を失った状態で元TBS記者の山口敬之さんから性行為を強要されたとして、訴えていたジャーナリストの伊藤詩織さんが12月18日、勝訴した。

山口さんは19日午後、日本外国特派員協会で会見を開いた。

会見の冒頭、山口さんは控訴する意向を示し、英語で "Conclusion is extremely one sided and biased.(裁判所の判断は極端に一方的で偏っている)"と指摘。

"I'm innocent.(私は無実である)"と明言した。

山口さんの代理人である北口雅章弁護士は「昨日の判決は誤っている。山口さんは絶対にレイプ犯ではない」と主張した。

会場には、海外メディアや外国人ジャーナリストを含む多くのメディアが集まった。外国人の記者や海外メディアの記者たちは、山口さんにどんな質問を投げかけたのか。Q&Aで箇条書きにする。

■「安倍さんや菅さんの力を借りたんですか?」

Q、逮捕状が取り消しになったことについて、「上級国民扱い」という言葉もありますが、菅さんの力が及んだのではないんですか?菅さんたちに力を借りましたか?

A、この件に関して、政治家、権力者、警察、誰に対しても助けを求めたことはありませんし、逮捕状が出ていることすら知らなかったので、それについて誰かに助けを求めることもできません。

Q、友人である安倍首相ともこのことについて話したりしなかったのですか?

A、私はまず犯罪をおこしていません。なので自分の捜査や逮捕状について誰かに助けを求めることはできません。報道が出たあとは、私が誰かにメールや電話をすることは誤解を招くと思ったので、連絡を絶ちました。なのでどの官僚にも、政治家にも助けを求めていません。

■「なぜ伊藤さんが嘘をついていると思うのですか?」

Q、あなたは、伊藤さんが多くの嘘をついていると話しています。それなら伊藤さんはなぜ、この件について嘘を述べる必要があるのでしょうか?

A、彼女が嘘をつく理由を想像するのはとても難しいですが、彼女は嘘つきの常習犯だということです。伊藤さんの人間性、信頼性を攻撃したいとは思いませんが、国内外の注目を集め、この裁判を通して彼女は多くのものを得ています。

Q、今回の件で、当時何か違うように行動しておけば良かった、もしくは後悔していることはありますか?

A、反省という意味を含む"Regret"という言葉を使うことは、ジャーナリストの皆さんに法に触れたから後悔していると誤解されてしまう恐れもあると思います。この件で彼女はとても傷つき、心的外傷後ストレス障害(PTSD)もあった。しかし私もあったのです。今まで公開はしていませんでしたが、私もPTSDだと診断とされ今も後遺症が残っています。しかし、私が犯罪を犯したかというと、それは違います。

■「なぜホテルに連れて行き、セックスをすることが良い考えだと思ったのですか?」

Q、駅まで5分の距離を彼女が酔っ払って歩けなかったのなら、なぜホテルに連れて行ったのですか。酔っ払って意識がない彼女と、なぜセックスをすることが良いことだと思ったのですか?

A、伊藤さんは非常に酔っていました。なので私のホテルに来てもらいました。部屋に入るなり嘔吐し、そのあとトイレにかけこみ、そこで嘔吐しました。嘔吐がブラウスを汚したので、ブラウスは私が洗って干しました。

伊藤さんはその後、私のベッドで2時間くらい、睡眠を取りました。おそらく午前2時ごろ、トイレに立ち、ミニバーの水を自分でとって自分であけて、飲みました。その段階では、普通に話していて酔った状態ではありませんでした。

泥酔している状態の伊藤さんと性行為が行われたわけではないので、質問自体が間違っています。

Q、どうしてタクシー運転手にお金を渡して、家まで送ることをしなかったのですか?

A、ベストな考えだったかと聞かれれば他の選択肢があったとは思いますし、こういうことを起こしてしまった以上、今は非常に反省しています。

Q、あなたには彼女に仕事を与えられるという、力関係がありましたが。

A、私が支局長で仕事をあげるからセックスをしろというようなことは一切言っていません。私は立場を利用してそのようなことをしようとしたということはありません。

BuzzFeed
2019/12/19 5:41:07
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