「桜を見る会」の釈明に追われ、手なずけてきた官邸の記者団にまで吊るし上げられている菅義偉官房長官。4日午前の記者会見では、記者からの質問に窮し、事務方から11回もメモを差し入れられている。

「この7年間、菅さんは危機管理を一手に引き受け、記者からの質問も顔色ひとつ変えず“違います”とはねつけてきたのに、桜を見る会に関してはまったくの別人です。『少々お待ちください。あまり詳細ですと……』と答えに詰まり、『反社の定義は定まっていない』『招待者名簿のバックアップデータは行政文書ではない』などと、明らかに虚偽と分かる屁理屈を繰り返し、傷口を広げている。しかも、菅さんが管轄する内閣府や官邸から、桜を見る会に“昭恵枠”があったことなど、ボロボロと情報が出ている。さすがに、もう安倍政権を守るつもりがないのか、という声が上がっています」(自民党関係者)

 とうとう「森友事件、加計疑惑と総理の尻拭いをすることに嫌気が差したのではないか」「いずれ責任を取る形で官房長官を辞めるつもりじゃないか」という見方まで出ている。実際、ドロ舟の安倍政権と一緒に沈むより、このタイミングで離れた方が得策、という声も流れている。もし、菅長官が辞任したら、安倍政権はどうなるのか。政治評論家の有馬晴海氏が言う。

「菅長官という防波堤を失ったら、安倍政権が弱体化するのは間違いないでしょう。安倍首相の周辺には、嫌われ役を引き受け、冷徹に人事権を振るえる議員はいませんからね。午前と午後、1日2回、記者会見をこなせそうな側近も見当たらない。これまで麻生―二階―菅のトライアングルで政権を支えてきたバランスも崩れてしまうでしょう。なにより、7年間も務めてきた官房長官が辞任したら“政権末期”という空気が広がっていくはずです」

 政権の終わりが近づいている。

日刊ゲンダイ
19/12/07 14:50 
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