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 残り一週間となった国会ですが、2日の参議院本会議は、事実上、「桜を見る会」一色になりました。野党側は総理を直接追及する最後のチャンスとみて攻勢を強めています。

 「この政権は都合の悪い情報は出さない、隠す・改ざんする・消す・シュレッダーする、絶対に許してはいけない。総理がどのような答弁をするのか注視をしたい」(立憲民主党 蓮舫副代表)

 野党側が最も注目しているのは、“「桜を見る会」の終了後に遅滞なく廃棄した”とされる招待者名簿。安倍総理は2日、その保存期間の見直しを検討する考えを示しました。

 「桜を見る会の運営等について全般的な見直しを行っていく中で、文書の保存期間についても今後、検討してまいります」(安倍総理)

 「今後」については対処する姿勢を示した安倍総理。ただ、野党側が求めているのは「今年」の名簿の復元です。

 「反社会的勢力が招待されたのかという事実確認さえ“できない”で終わらせることは許されません。やましいところがないならば、総理の責任で電子データを復元させ、全ての名簿を明らかにしていただきたい」(共産党 田村智子参院議員)

 「内閣府が採用しているシステムはサーバーのデータを破棄後、バックアップデータの保存期間を経た後は“復元が不可能である”との報告を受けております」(安倍総理)

 安倍総理はこのように述べ、破棄された名簿の電子データの復元は不可能だという認識を示しました。政府側の説明はこうです。名簿を管理する内閣府は「シンクライアント方式」というシステムを採用し、名簿などのデータを「各端末」ではなく、「サーバー」で集中管理しているということです。サーバーのデータを破棄した場合、バックアップの保存期間をすぎればデータは完全消去となり、「復元は不可能」になるということです。

 再び、参議院の本会議。もう一つ質問が相次いだのが、マルチ商法で経営破綻した「ジャパンライフ」の山口元会長が「桜を見る会」に招待された問題です。

 「安倍総理・昭恵夫人はジャパンライフの山口元会長と面識がおありでしょうか」(社民党 吉田忠智参院議員)

 野党側は、山口元会長が「総理枠」で招待されたのではないかと追及しています。

 「山口会長については、過去において私が招待された多人数の会合等の場で同席していた可能性までは否定しませんが、山口氏と一対一のような形でお会いしたことはなく、個人的な関係は一切ありません。私の妻は山口氏との面識はありません」(安倍総理)

 安倍総理は山口元会長との関係をこう説明しました。そのうえで・・・

 「一般論として申し上げれば、桜を見る会が企業や個人の違法・不当な活動に利用されることは決して容認できません」(安倍総理)

 安倍総理はこのように述べましたが、問題のある人物がどのような経緯で招待されたのか、まったく明らかになっていません。

Q.ジャパンライフが顧客獲得のために利用していたとされる資料を見たことはあるか?

 「具体的なことについては承知しておりません」(菅義偉官房長官)

Q.政府は「ジャパンライフの正体を確認していない」ということだが、同社の資料にある招待状や受付票が偽装の可能性もあるのか?

 「会の終了をもって使用目的を終えることなどから、内閣府においてこれらの情報は保有していないと承知している」(菅義偉官房長官)

Q.「名簿廃棄したから分からない」ではなくて、本当に長官、全く承知していないのか。総理に聞けば呼んだか呼んでいないか、すぐ分かると思うが?

 「承知はしていません」(菅義偉官房長官)

 国会の会期末が迫る中、「桜を見る会」をめぐる問題はどこまで真実が明らかになるのでしょうか。(02日17:18)