共産党は2日、預託商法会社「ジャパンライフ」(東京)の山口隆祥元会長が2015年の「桜を見る会」に招待されたとされる疑惑を巡り、同社の行政処分を検討していた消費者庁の14年当時の内部文書に政治的な背景の存在を示す記述があったと指摘した。野党は、ジャパンライフと安倍政権との「特別な関係」を示す文書だと強調。同年の消費者庁の対応が行政処分より軽い行政指導にとどまったこともあり、検討の過程で「手心が加えられていた」可能性があるとして、追及を強めている。

 文書は、共産党の大門実紀史参院議員が入手し、野党5党でつくる桜を見る会に関する「追及本部」の2日の会合で示した。消費者庁内で14年7月に課長クラスの会議を開いた際に配布したものとみられ、「本件の特異性」として「政治的背景による余波懸念」などと記されていた。

 大門氏によると、消費者庁は当時、ジャパンライフに立ち入り調査したうえで行政処分を検討していた。最終的には14年9月と10月、文書による行政指導にとどめており、何らかの「政治的背景」で処分に踏み込まなかった可能性があるという。大門氏はこの文書について「消費者庁の文書か」と確認の答弁を求めたが、同庁担当者は「消費者庁の文書かどうか確認する」と述べるにとどめた。

 ジャパンライフを巡っては、15年の桜を見る会に山口氏が「首相枠」で招待された疑惑が浮上。同社は信用力をアピールするために招待状の写真を載せたチラシで顧客を勧誘しており、野党は「政権がジャパンライフのマルチ商法を結果的に後押しした」と批判を強めている。【浜中慎哉】

毎日新聞
2019年12月2日 22時21分
https://mainichi.jp/articles/20191202/k00/00m/010/280000c