「桜を見る会」に新たな疑惑である。今度は菅義偉官房長官が「桜を見る会」で、反社会的勢力と目される人物と写真に写っていた疑いが浮上しているのだ。どこかで聞いた話だと思ったら、吉本興業の芸人が、やはり反社会的勢力と写真に納まるなどして大騒ぎになったのは今夏である。芸人たちは謹慎など重い処分を科された。菅さんはどうするの?【吉井理記、江畑佳明、大場伸也/統合デジタル取材センター】

■発端はSNSのツーショット

 この問題、SNS上の指摘が発端である。

 「桜を見る会」の出席者が、会場である東京・新宿御苑の芝生の上で菅氏と握手する場面など複数の写真をツイッターに投稿していた。この写真の中に詐欺事件などに関わる反社会的勢力の一員とされる人物が写っている疑いが浮上したのだ。週刊誌などが相次いで「反社会的勢力を招待」と報じ、騒動が広がった。

 菅氏は26日の記者会見で、指摘についてこう述べている。

 「出席は把握しておりませんでしたけれども、私が、桜を見る会で写真を撮った中に『そうした方』がいたというご指摘を受けましたので、結果として入っていたんだろうということを申し上げたところであります。何年の分か分かりません。いつの時だったか。まったく分からない状況ですけども、まあ、マスコミの方から『そうした方』というご指摘をいただいたということは、これ事実でありますから、結果的に(会に)入られたんだろうというふうに思ってます」

■「知らなかった」では済まされない

 さすがに菅氏が「そうした方」と親密な付き合いがあるとは考えにくい。菅氏は27日の記者会見で「写真を撮影した人物と面識はない」と述べた。しかし、反社会的勢力であることが事実なら、国民の税金で開く公的行事に「そうした方」を招き、かつ一緒に写真に納まっていながら「知らなかった」で済まされるのか?

 思い出してほしい。「吉本興業」所属の芸人たちが、反社会的勢力(振り込め詐欺グループ)が開いたパーティーに招かれ、金銭を受け取ったり、一緒に写真に納まったりしていたことが発覚し、大問題になったのは今年6月である。

 10人以上の芸人が謹慎などの処分を受け、中でも、グループのメンバーと写った写真が週刊誌に掲載された人気コンビ「雨上がり決死隊」の宮迫博之さん(49)は現在も謹慎中。お茶の間から姿を消したままだ。もちろん、宮迫さんも、彼らの素性を知らなかったという。

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毎日新聞
2019年11月27日 21時44分
https://mainichi.jp/articles/20191127/k00/00m/010/348000c